わしの暇つぶし

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不思議な夢・怖い夢シリーズ①

夢を文章化した時の支離滅裂な感じが好きだ。

 

 

小学生の頃だったか。

 

自宅の和室で弟、母親と一緒に寝ている。天井の中央に和風の照明が吊るされており、小玉電球がぼんやりと橙色に光っている。和室いっぱいに敷かれた三枚の布団。真ん中に私、左に弟、右に母親。現実の和室と全く同じ風景である。

 

胸騒ぎがして目が覚める。夢の中で。吊るされた照明が目に入る。橙色の灯りから目が離せない。何かの気配を感じる。

 

「シュウチュウだ」

 

そう思った。初めての感覚だったが、なぜかそれが分かった。同時に絶望感に襲われる。どれだけ逃げても最後には結局捕まるということが初めから分かるのである。

 

照明と私との間にぼんやりと白いものが浮かびあがる。よく見るとそれは、しずくを上下逆さまにして目を書いたような、お化けと言ったらこれだ、というような形をしていた。

 

逃げようとした次の瞬間、私の真上にいたはずのシュウチュウは天井の左奥の隅にいた。かと思えばすでに右奥の隅に移動している。シュウチュウはもの凄い速さで空中を移動した。それは連続的な動きというよりも、瞬間移動のような点々とした動きだった。

 

私は仰向けのまま全く動けない。目でシュウチュウを追うのがやっとだった。そしてシュウチュウが近づいてくる。

 

「ああ、ついに来てしまったか」

 

絶望感に支配されながら、ただシュウチュウを待つ。私の目の前まで来たシュウチュウは、私の脇の下を思い切りくすぐる。私は耐えきれず大声で笑う。それでもシュウチュウはやめない。苦しい。もう笑い死んでしまうというところで夢は終わる。

 

目が覚めてもシュウチュウのことをはっきりと覚えていた。母親にシュウチュウを知っているかと聞いてみた。母親は少し考えた後、「集中」という言葉の意味を説明した。

 

当時「集中」という言葉を知らなかった私は母親の反応に一瞬期待したが、後に続く的外れな答えに困惑した。

 

後日、家に遊びに来た友人のM川君にも聞いてみた。

 

「シュウチュウって知ってる?」

 

「知ってるよ」

 

「あのくすぐってくるお化けだよ?」

 

「うん」

 

私は仲間を見つけて嬉しい気持ちになったが、今思えば適当に話を合わせていただけなのだろう。

 

また夢を見た。同じ光景だ。薄暗い和室、眠る母、弟、橙色に光る小玉電球。私は胸騒ぎがして目を覚ました。

 

「またシュウチュウだ」

 

またしても逃げても無駄だという絶望感が私を襲う。照明を見つめているが何も現れない。今度はどこに現れるのだろう。その時、私の右に眠る母親がシュウチュウであることを悟った。見た目は母親そのものであるのだが、それは確かに母親ではなくシュウチュウであった。

 

家の外に逃げようと思った。シュウチュウのいない左側に、廊下へつながるドアがあった。立ち上がろうとしたが足に力が入らない。仕方なく四つん這いの状態で進んだ。ドアを開き、廊下を這う。突き当たりを左へ曲がるとその先に玄関が見えた。そして玄関の目の前に母親が横たわっていた。

 

本物の母親はこっちか、そう思った。しかしすぐに違和感を覚える。

 

シュウチュウだった。またしても。

 

急いで和室に戻る。和室にいるものが今度こそ母親だと思ったからだ。懸命に這った。和室に入る。しかしそこに横たわっていたのはやはりシュウチュウだった。

 

何回繰り返しただろうか。私はとうとう諦め、シュウチュウに捕まり、またもや脇の下を思い切りくすぐられてしまったのだ。

 

それ以来シュウチュウの夢は見ない。あれは一体なんだったのだろう。