わしの暇つぶし

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貧乏ゆすりの種類と治し方

貧乏ゆすりを治すのってとても大変ですよね。貧乏ゆすりにはニコチンが含まれていますから中毒性が高いんです。しかし貧乏ゆすりがカッコいいと言われたのは昔の話。今の社会は、値上げ、税金、刑罰と、貧乏ゆすり癖者に対する風当たりが強いんです。ゆすりたい気持ちも分かりますが、治してしまった方が賢明でしょう。

 

以下に貧乏ゆすりの銘柄とその治し方を紹介していきます。

 

Marlmomo(マール腿)

最もオーソドックスで人気のある貧乏ゆすりです。やり方は片足のつま先を支点にして踵および腿を上下させるだけ。非常に簡単なので貧乏ゆすり初心者の多くはこの銘柄から入ります。やり方が簡単であるだけに治すのも簡単です。一番手っ取り早くて確実なのは両足に100kgの重りをつける方法ですが、重くて疲れてしまうという方は踵にアロンアルファを塗っておくだけでも大丈夫です。

 

Seven Stoes(セブン スとぅー)

こちらも人気の銘柄。かかとを支点にしてつま先を上下もしくは左右に揺らすというものです。この銘柄は座っている時だけでなく寝そべっている時にも使えます。治し方ですが、踵を取り外してしまえば簡単に封じることができます。旧式で踵が取り外せないという方は踵にローションを塗っておくだけでも効果があります。

 

MENVIUS(面ビウス)

股関節を開閉して両膝を羽ばたくように動かします。一般的な貧乏ゆすりと異なり、膝を水平面内で動かすことからこの名前がつきました。初心者に人気のある銘柄ではありますが、横に大きく場所を取るため、揺する場所には注意が必要です。ヘビーシェイカーになると電車の椅子7席分ほどを必要とします。凄いのは貧乏なヘビーシェイカーで、東京ドーム3個分を残像で埋め尽くしながら上昇気流を巻き起こし、一週間にわたって雨を降らせ続けます。ただ代償も大きく、股関節を確実に粉砕骨折し、加えてとてもデカい口内炎ができます。治し方は両膝を紐で縛ることですが、マゾヒストの方がこれをやると症状が悪化するのであまりお勧めできません。揺する度にムチで叩いてもらう方法がいいでしょう。

 

eecho(ええ子)

ええ子に限ってやります。ええ子ですから足を揺するなんてお行儀の悪いことはしません。頭を揺すります。上品ですね。とち狂ったように頭で八の字を描き、手は平泳ぎをする時のように動かします。体が温まってくると尻を震わせ始め、最後に足を揺すります。通常のシェイカーでも振動が速く、スーパースローを用いないと動きを捉えることができません。ヘビーシェイカーになると振動数は10^21程度となり、γ線と同等のエネルギーを持ちます。頭部は特にエネルギーが大きく、触れれば即死しますが、ええ子なのでしっかり謝ります。症状の重さに対して治し方は簡単で、ほうれん草を多めに取ることで自然治癒します。

 

KENT MORI(ケント・モリ)

木曜日の半蔵門線、22時。乗客のほとんどは仕事終わりのサラリーマンである。席は、満席とまではいかないが多くが埋まっている。彼は長椅子の一番端に座り、向かいに座るスーツたちの顔を眺める。スマホをいじる者、音楽を聴く者、首を揺らして寝ている者、それぞれのやり方で時間を潰しているが、皆に通じるものがある。くたびれているのだ。皆がくたびれている。乗客がこんなんであるから当然車内の空気もくたびれる。誰も喋らず、誰も顔を上げない。乗っているだけで覇気を吸い取られてしまうようだ。彼は昔からこういう空気に耐えられない。どうしても耐えられない。何故だろうか。彼は自分ではその訳を分かっていない。自分は忍耐力のない人間なのかといつも悩む。しかしそうではない。彼は天性のスターなのだ。

 

突然、くたびれた車内にミュージックが鳴り響く。乗客は一瞬顔を上げるが、すぐに俯き、聞こえないフリを決め込む。彼は立ち上がった。ミュージックに合わせて心地よくステップを踏む。トントンタン。トントンタン。乗客は彼を見ない。気にせずステップを踏む。トントンタン。トントンタン。夜の電車に男が一人踊っている。信じがたいことに、彼は溶け込んでいる。周りの空気に逆らわず、しかし飲まれず。絶妙な調和を纏ってステップを踏む。トントンタン。トントンタン。ミュージックにギアがかかる。曲調が変わり、アップテンポになる。彼もステップを変える。速く、大きく。軽快かつ大胆な足さばきが、重たい空気を追い払っていく。何人かが顔を上げた。彼は腕も加える。ステップに合わせて両腕をリズミカルに、速く、しかし力強く、躍らせる。鞭のように美しく、しなやかに。車内の温度が上がる。さらに何人かが顔を上げた。ミュージックが爆発する。彼は身体全体を大きく使い、激しく躍動する。暴れ牛のように遊ぶ。その中に実は正確さがある。狂いの秩序がある。それが人を魅せるのだ。既に俯いている乗客はいない。全員が天性のスターに釘付けである。鼓動の高鳴りが聞こえる。彼の汗が飛ぶ。誰かが吠えた。乗客も感情を抑えきれない。ミュージックが佳境を迎え、彼は一層激しく、一層美しく、狂う。生命のエネルギーを放出して踊る。跳び、回り、打ち、放つ。車内のボルテージは最高潮に達した。乗客の顔を見る。さっきまでの死人はもういない。興奮と感動で赤い。生き生きとしている。もはや叫ばぬ者はおらず、踊らぬ者もいない。車内は完全に一体となったのである。

 

血を踊らせ、魂を揺さぶる本物の貧乏ゆすりがそこにはあった。彼の、世界的ダンサー「ケント・モリ」の貧乏ゆすりは、人を魅了してやまない最高のダンスなのだ。

 

天性のスターを抑え込む必要があるため、治療は非常に大変である。以下の3条件をクリアしなければならない。

 

・一年間「スター錦野」の肉を食べてはならない。

 

・一年間「星野源」の肉を食べてはならない。

 

・一生うんこをしてはならない。

 

 

今回は以上となります。